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映画レビュー:『アリス』(1988年)

serain98

記念すべき(?)映画レビューの第一回目、作品はヤン・シュヴァンクマイエル監督の『アリス』です。


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監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
主演:クリスティーナ・コホウトヴァー
初公開年:1988年


見どころ
・アリス以外の登場人物を、全て人形によるストップモーション・アニメーションで撮影することによって生み出された、不気味で薄気味悪い映像
・想像を超える、シュールレアリスム的な演出の数々
・原作を概ね踏襲しながらも、ところどころの構成を変えることによって生み出された、新しいアリスの世界観
・クリスティーナ・コホウトヴァーちゃんは可愛い


感想
サブカル誌『夜想』の特集号を確保しているのにも関わらず、今まで観る機会のなかったヤン・シュヴァンクマイエル氏の映画。丁度Amazon Prime Videoで配信されていたので観ることが出来ました。「アリス」と言えば、説明不要の児童文学ですが、氏はそれにシュールレアリスム的な演出などを加えることによって、また新たな世界観を切り開いています。

作品中最も目を引く点は、アリス以外のキャラクターたちが、全て人形によるストップモーション・アニメーションで撮影されているということでしょう。ストップモーション・アニメーションとは一言で言えば「コマ撮り」ですが、これによって、不思議の国の住人たちの不気味な感じと、そこに迷い込んだアリスの「異物感」が両立しています(人形自体もかなり醜悪な感じにアレンジされていて、中でも白ウサギと帽子屋はかなり際どい感じですw)にしても、この量のキャラクター達を1コマ1コマ撮影していくのは相当な手間がかかったでしょうなぁ……w

シュールレアリスム的な演出といえば、『アリス』は原作自体不条理に次ぐ不条理の連続ですが、原作の展開を踏襲しつつも、新たな展開や演出を加えることによって、その不条理性は更に増しています。白ウサギが自分に空いた穴を補修したり、アリスの靴下がイモムシみたいに動いて勝手に脱げたり、缶を開けると中から虫がウジャウジャ出てきたりと……特に虫のシーンはリアルにゾッとしましたw その他にも快挙に暇がないのですが、いちいち挙げてるとキリがありません(^_^;)

しかし、シュールな世界の中でも、クリスティーナ・コホウトヴァーちゃんの演じるアリスはやっぱり可愛らしいです。大体私たちがイメージするアリスそのままといった感じですが、不条理ワールドで多少ベソをかきつつも、持ち前の好奇心でグイグイと進んでいくのが良いですね。毎度引き出しを開けようとすると「ポンッ♪」とノブがスッポ抜けて転がってしまうのもとてもカワ(・∀・)イイ!!

あとこの映画、アリスの語りでストーリーが展開していくのですが、そのたびに彼女の口元がどアップで映し出されるので、幼女の口元フェチなのかな? と若干思ってしまいましたw

ヤン・シュヴァンクマイエル氏がチェコスロバキアの人ということで、政治的な主張が含まれている作品が多いとのことですが、ことこの映画に限って言えば(自分が一見した限り)そういうのは見受けられなかったです。強いて言えば、食事が不味そうってことくらいですかね、アリスが口にするクッキーやら飲み物やら、なんとなく不潔で不味そうなイメージがありますw(これは政治的主張というより、氏自身の食事への嫌悪感からくるものだと思います)

少し展開が悠長なのが玉にキズ(時間的には普通の映画よりは短いw)ですが、暗くて陰鬱な雰囲気が好きな方と、少し変わった映画が観たい方にはおすすめ出来る映画です🎥今のところ、Amazon Prime Videoには他の氏の作品はありませんが、また他の作品を観る機会があれば、そちらも是非観てみたいと思います(*^_^*)
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