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映画レビュー:『市民ケーン』(1941年)

serain98

映画レビューの第二回目、作品はオーソン・ウェルズ監督の『市民ケーン』です。
本作は古い映画ではありますが、自分は何年も前からこの映画の存在だけは知っていました。というのも、監督のオーソン・ウェルズ氏のことを取り扱った個人サイトで目にしていたからです。

オーソン・ウェルズ氏は中々愉快な人物で、中でも一番愉快なエピソードといえば、H.G.ウェルズ氏のSF小説の古典的名作『宇宙戦争』を短編ドラマとしてラジオで放送した際、あたかも実際の事件であるかのような演出をし、視聴者を混乱させたというエピソードでしょう。このエピソードがきっかけで彼はハリウッドに招かれ、本作『市民ケーン』を製作しました(余談ですが、後年エクアドルで似たようなことをした人がいましたが、その人は「人々に混乱を招いた罪」で殺害されてしまいました……)

さて、そんな本作ですが、流石に半世紀以上前の映画ですので「面白いのか」と聞かれると中々難しい作品です。全編モノクロだし、ストーリーは簡潔に言うと「新聞記者が、死んだ新聞王の最後の一言の謎を追っていく」というだけですし、当然激しいアクションなんかもありません。普通の現代人の方が観るには中々厳しいといってもいいでしょう(自分も観始めた時間が悪かったのですが、一回途中で寝てしまいました……w)

しかし、各関係者からの証言などから炙り出される、新聞王ケーンの生涯から垣間見れる彼の歪んだ権力欲、夫人への独裁的な愛情、そして離婚。孤独に苛まされながら生涯の幕を閉じたケーンの悲壮感は現代にも通ずるものがあります。最後の最後で明かされる最大の謎「バラのつぼみ」の意外な正体は、彼が無意識に追い求めていた「愛情」の源泉にして結晶だったのかもしれません。

当時の新聞王にしてケーンのモデルとなった人物、ランドルフ・ハースト氏の圧力によって本作はアカデミー賞を9部門でノミネートされていたのにも関わらず、脚本賞のみの受賞に留まりました。全体的にハースト氏を皮肉った内容であったため、彼が激怒したためです。このランドルフ・ハースト氏も中々面白い人物ですので、興味のある方はぜひググってみてください。
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